東芝で不適切な会計処理が判明し、複数年度にわたって決算の修正を行う可能性が出てきたことから東芝の株が売り込まれ、ストップ安になっています。東芝の会計処理で問題となったのが工事進行基準。
工事やシステム開発で単年度で終わらず、複数年度にわたると費用(支払)が先で、収益は最後になり、単年度ごとに、どれぐらい売上があって、どれぐらいの費用が発生したかが分かりません。そこで工事進行基準が使われ、進行しているシステム開発の状況も含めて財務諸表に反映されます。より企業実態にあうことになります。
今まで、工事進行基準と工事完成基準のどちらを採用するかは企業が決めました。しかし、企業によって会計基準が違うと財務諸表を比較しにくいことや、国際会計基準(IFRS)では原則として工事進行基準に一本化することとなりました。
ただ工事進行基準には懸念もあります。進捗状況で売上や原価を配分しますので、進捗状況に手心を加えるだけで売上や利益の数字操作が可能です。エンロン事件で不正経理が行われ、サブプライムローンの本質を見抜けなかったこともあり、アメリカでは国際会計基準(IFRS)に工事完成基準を採用すべきという意見もでています。今回の東芝の問題でもまた議論になりそうです。
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